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「眼球譚 〔初稿〕」 G・バタイユ 1 [BOOK]

※ 作品の内容に触れる記述があります。予めご了承ください。

初めて紹介するのが本書であることについて、いささかの躊躇がないわけではないが、直近に読んだのが本書なのだから仕方ない。


眼球譚(初稿) (河出文庫)









著者のジョルジュ・バタイユの名を初めて知ったのは、私の敬愛してやまない―というよりは、シコウしてやまない―澁澤龍彦の著作によってである。
仏文学者(澁澤自身はこう呼ばれる事を嫌っていたようだが…)でもある氏の著作に、バタイユの翻訳があったのである。

今回紹介する『眼球譚』は澁澤訳ではないものの、訳者の生田耕作氏は早い時期からバタイユに注目しており、澁澤とも親交があったようである。
澁澤のお友達なら、安心なのである。

物語は、語り部である16才の「私」―これは後に著者の分身であることが判るのだが―と少女シモーヌとの、主に体の交流を中心に進んでイク。
いわゆる心情を吐露するような場面はほとんど無く、主人公ほか数人のエロティックな遊戯の写実に終始する。

著者を偉大な思想家・作家と認識した上で本書に取り組む者は、あらゆるシーンにその思想や哲学を汲み取ろうとするのであるが、そんな愚拙な傍観者の存在などまるで意に介さぬように、主人公たちは己の、あるいは互いの性器をまさぐり、小便を掛け合い、交接を繰り返すのである。

時に友人の屍の傍らで…
時に僧侶を絞め殺しながら…
                              (つづく)
[晴れ]

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