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初めにおこないありき! [Others]

※ 震災で亡くなられた皆様のご冥福をお祈り申し上げます。
  また、被災された全ての皆様にお見舞い申し上げます。

今日の大きな悲しみを銘記すべく、
また、未だ揺れの収まらぬ心の置き所を探すべく
このページを開いてみたものの、
時々刻々明らかになる深刻な現実を前に、
いったい何を記せばいいのだろう。

こう書いてある。 「初めにことばありき!」
こゝでわしはもうつかえる!
だれかわしを助けて先へ進ませてくれないか。
わしはことばというものをそう高く値ぶみすることはできない。
別に訳さなくてはならない。
こう書いてある。 「初めに意味ありき!」
ペンが先走りせぬように
第一行をよく考えよ!
一切を作りだすものは意味だろうか。
こう書いてあるべきだ。 「初めに力ありき!」
しかしこう書きつけているうちに、もう
これでは済まされないと警告するものがある。
霊の助けだ! 不意に思いついて
安んじてこう書く。 「初めにおこないありき!」         (※1)

もちろん、私は偉大な老哲学者の足元どころか、
‘影元’ にも及ばない。
ファウストでもないので、霊の助けも無い。
そもそも、ブログごときに引っ張り出す件(くだり)ではない。

しかし、皆、迷っている。
自然の、あまりの猛威に動揺している。

自分は、何をすべきか…
いったい、何ができるのか…

頼みとするところは、先人の智恵。
励みとするところは、積み重ねて来た歴史。

哲学者は言う。

誠実に君の時間を利用せよ!
何かを理解しようと思ったら、遠くを探すな。          (※2)

義務の重荷からわれわれを解放することのできるのは、
良心的な実行だけである。                    (※3)

すべきことなど考える前に、動け!
できることから、やれ!

哲学者は、こうも言っている。

人間だけが不可能なことをなし得る。            (※4)

あるいは “絶対的なもの” に対する逆説的テーゼか。
ならば、いっそ今は心強い。

阪神淡路大震災からの逞しい復興を励みに、
まずは、被災地の安寧を心より願う。


      ※1 「ファウスト」 から
         (ファウストが聖書のヨハネ伝福音書を訳すシーン)
      ※2 「格言的」 から
      ※3 「ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代」 から
      ※4 「神性」


ゲーテ格言集 (新潮文庫)

ゲーテ格言集 (新潮文庫)

  • 作者: ゲーテ
  • 編訳: 高橋健二

[晴れ]
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